資料提供 産業経済新聞
S43.2.29 東名高速道初の試走
S44 8.29 頂上写真
S43.1.10 白糸の滝に大ツララ
S41.11.24 グライダ-練習場完成
S39.11.19 ハボタンの富士山
S40.1.31 富士山5合目に大駐車場
S36.1.18 田貫湖が凍る。
富士山を美しい禄の山にのキャッチフレーズで、 静岡営林署の「植樹祭」が十五日、標高約S1000mの大淵国有林で行われた。 この日は、あいにくの花曇りで、富土山はかすんでいたが、勝永茂雄署長ら 関係者約二百五十人が、三年生の杉苗三百本を広い野原に植えた。 ことしの富士山植樹計画は、標高100m地区にスギ、1200m付近にヒノヰ、 1400mにモミ1800mにシラベなど188hrに全部で52万本を植えるという。 勝永茂雄署長は「毎年、台風で痛めつけられ、 倒木が目立つ富士山もこれでぐんと若返るでしょう」といっている。
富士山の大沢崩れは、山麓の住民を地滑りや、水の危険にさらしてきたが、この程、政府と県の当局 の予算均衡で砂防の事業の復活要求が認められ、44年度着工が本ぎまりとなった。 工事は運輸省が直轄事業として一億五千万円で扇状にえぐりとられた延長千五百mの土砂崩れ現場の砂防事業が始まる。 これまでは県の補助だけで細々と工事が進められていた崩壊防止工事も、 ようやくスピ-ドアップされることになり、地元住民の喜びは大きい。
写真記事1
写真記事2
富士山の山梨県側の三合五勺付近(山梨県南都留群鳴沢村地内、標高約1800m)で、 地中から暖かい空気がでているのをこのほど狩猟にはいったハンターがみつけた。 地元の同群河口湖町観光協会では「温泉ではないか」と会員有志の手で現地調査を おこなったが、山部では休火山の富士山が再び活動する前ぶれではないか、という 見方もでて、地元の話題になっている。
富士市大淵の富士山麓に最近、野ウサギが大繁殖。
幼木をくい荒し、その被害面積はすでに85ヘクタ-ルにおよんでいるが、 これらの山のギャングは退治に出むいたハンタ-の立ち入りできない 国有林内に逃げ込む始末で、このままでは一帯の植林が全滅する おそれもあり富士市林政課では国有林への立ち入り許可をもらい、 四、五の両日地元猟友会の協力で大がかりな野ウサギ狩りを行う。
富士市林政課の調べでは富士山鏡塚(標高八〇〇-千m) 一帯の被害がひどく、昨年末ごろから付近に野ウサギの横行が 目立ちはじめた。 現在一帯の植林には一ヘクタ-ル当たり約四千本のスギ、ヒノキ、 モミなどの幼木が植えられているが、 山のギャングは幼木の芯をくうため、 木は成長がとまりそのままでは枯れてしまう。 今、わかっただけで被害は百二十万円となっているが、 山に食物がなくなり、野ウサギはだんだんふもとに降りつつある。
同市ではこれまで市有林内だけを警戒していたが、 野ウサギはずるがしこく、ハンターをみかけるとたちまち立ち入り 禁止の国有林に逃げ込んでしまう。 国有林内は国の許可がなければはいれないので、 野ウサギにとっては治外法権地帯だ。 ここでゆうゆうと繁殖されては、いつまでたっても退治の効果は あがらない。
富士山の中腹を周遊するハチ巻き道路は長年、岳ろく観光開発の夢となっていた。 しかし、県は四十一年度中に標高1000mから1500m付近を走る周遊道路 二五.五キロに着工した。 総工費約十三億五千万円を懸けて、三年後の四十三年度中に県営有料道路として 営業をはじめることになった。
この有料道路は国道一号線、同東京-沼津線に結ぶほか、 吉原インタ-を通じ東名高速道からも乗り入れ可能である。 年間約二百万人の富士山ろくへの観光客は二倍以上の五百万人に増えるものと 期待されている。 同有料道の着工はいま作業中の来年度予算の編成にからんで、決まったものである。 計画によると、すでに開設されている浅黄林道、南山林道を利用し 富士宮登山道(県道富士宮-富士公園線)の一合目から東へ幅六・五m、 二車線のアスファルト舗装道を建設してある。 御殿場登山道(県道御殿場富士公園線)の五本松を結ぶ。 さらに、有料道中間の吉原市浅黄塚から富士宮登山道に結ぶ 自動車道を建設するもので富士宮登山道の二合目以上は観光道路として 五合目まて゛整備舗装することになっている このため、この周遊道に乗り入れた車は山梨県側のスバルラインに 対抗してそのまま標高二四〇〇mの五合目まで登ることができるようになる。
山梨県側の周遊道路ができれば富士山の中腹に文字どおりハチ巻き道路が完成、 富士山の開発は新しい時代を向える。 しかし、本県側の西富士と東富士を結ぶ二五・五キロだけでも 樹海を走る景観はすばらしく、県は各所に展望台を設け大いに観光客を 誘致すると語っている。 なお、富士宮登山道一合目、御殿場登山道五本松の周遊道入り口までの 両登山道は公共事業で整備することになっており、国道を走るマイカ-族も、 もうすぐ気軽に車で富士登山できる時代がくるわけだ。
富士山中腹に長さ500mの横穴を掘って水源を捜すという珍しい工事が 22日から始まった。 県でもこれに平行して近く北側山麓でボ-リングによる水脈調査を行うが、 この二つの工事で山麓開発の大きなガンだった水不足も解決できると 明るい見通しを立てている。
諏訪調査官の研究は、富士山の過去の噴火例から検討をはじめて、 現代火山学のメスをあてたいわば、「富士山の診断書」。 この論文は近く、気象庁発行の雑誌「気象時報」に発表される。 これによると、富士山は宝永4年(一七〇七年)の大噴火以来、 すでに二世紀半あまりも完全な沈黙をまもってきたが、 これを「死滅した」と思うのは早計。 天応元年(七八一年)の噴火をはじめ、延暦十九年(八〇〇年)、 貞観六年(八六四年)、宝永四年の最大噴火など過去十一世紀間に 合計十数回も大曝発をくりかえした富士は、まだ若いという。 山頂の成就岳や山腹の宝永火口などにみられる噴気、 地熱の現象も富士が生きている証拠。
「富士が再噴火する可能性は大きく、 むしろかならずあばれだすとみるべきだ」としている。 では、喋火はいつあるのか。 これについては「科学的な火山観測施設がまったくない現状では、 予知は不可能」という。富士山は、いわば無医村状態なのである。 しかし、富士山の長い噴火歴からみて、 現在のように休眠期が長かったことはごくまれで、 この意味では今は「警戒期」でまた休眠期が長いほど、 つぎの噴火が激しくなる傾向があるという。
富士山の頂上は誰のものか。 富士山の八合目以上の所有権をめぐって 静岡県富士宮市大宮、富士本宮浅間神社が 国を相手取り五年あまり争ってきた裁判に判決がおりた。
ここ数年のうちには絶滅するのではないかといわれる特別天然記念物の雷鳥を 生息地帯の中部山岳地帯から富士山へ移して、保護育成しようという計画が、 文部省、林野庁、日本鳥学会などの関係団体で進められていたが、 来たる二十日、ヘリコプタ-に乗せて白馬岳から富士山へ空輸されることになった。 動物を保護のために移植するのは勿論、空中輸送によって新しい移植地に運ぶのは、 わが国では初めての事だけにその成果が大いに注目される。
絶滅寸前の雷鳥を救おうと4年前、長野県白馬岳からへリコプタ-で 富士山に空輸された雷鳥の生態を調ベる「富士山雷鳥調査団」が組織され、 雪どけの四月ごろから、山梨、静岡両県にまたがって本格な調査をすることになった。 この調査団は、昨年、数回にわたって富士山に登り、雷鳥の生息状況を記録してきた 山梨富士国立公園博物館が中心となり日本鳥学会をはじめ、 地元日本野鳥の会部、営林署などが全面的に協力、世界ではじめてという 雷鳥の集団移植に真っ正面からとりくむことになっている。